老婆

Posted on 月曜日, 2月 9th, 2009

今日の昼は某ファストフード店に。
人がけっこう並んでいて、でも「チキン南蛮バーガーを食べる」と決め込んでいたので、とりあえず並んで待つことに。
しばらくしたら老婆がお店に入ってきました。見た感じ80前後のおばあちゃんです。
よぼよぼと歩いて行き、よぼよぼと列を追い越して行き、「も、もしや・・・」と思ってると案の定ごく自然に二番手の位置に。
簡単に言えば「横入り」です。
しかし、何でしょう、相手はおばあちゃんです。
電車で席が空いていなかったら譲るおばあちゃんです。
縁側でお茶を飲むのが似合いそうなおばあちゃんです。
列が目に入っているかいないかも定かではありません。
しかし、後ろにたくさん並んで待っているのは事実です。
しかし、横入りを指摘するのにも後ろめたさを感じます。
僕はその時列の4番目(注文してる人→老婆→サラリーマン→僕→人・・)で、ポジション的にも老婆に話しかけれる位置でもなく、心の中で「一体何が正義なんだ・・・ちくしょう、ちくしょう、」と叫んでいました。
そうしたら、横入りされた3列目のサラリーマンがついに、均衡を破りました。
「すいません、こっから並んでるんです・・」
僕は彼を褒めてあげたい。
違うんです。別に譲ったっていいんです。むしろ譲りたいんです。彼も僕も老婆を列に並ばせてまで早くハンバーガー食べたいわけでもないし、譲り合いの精神くらい持ち合わせています。
でも彼は後ろにボクたちという運命を背負っている立場なのです。
彼も僕も後ろに並んでいる人も偶然居合わせた赤の他人だけど、並んだその時から列というコミューンが形成されているのです。
時として優しさが、たくさんの人を傷つけることだってあるのです。
そしたら老婆は、一言、こう言いました。
「あん、すぐ済むから」
ペリー エゾリス

その後、喫煙席で、たばこガンガン吸ってる老婆を見て、改めて正義とは何か分からなくなりました。

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